冒頭からぶっちゃけましょう。
ゴルフで筋肉をつけたり痩せようとしているあなた。
ゴルフでは両方とも無理です。
でも、そのきっかけを作ることはできるので全く無意味ではないと思います。
こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
ゴルフフィジオトレーナーのケイです。
今回は筋肉をつけたい方と痩せたい方向けに、どうすれば効果が出るのかを医学的に解説していきます。
これを読んでもらえれば私が最初に言ったことも納得してもらえると思います。
打ちっぱなしで筋肉がつかない理由は負荷が弱いから
残念ながら打ちっぱなしでは筋肉はつかないと言えます。
まず打ちっぱなしだけでなくゴルフ全般に言えることですが、筋肉をつけるには負荷が弱すぎます。
本当に筋肉をつけるにはみなさんがイメージしている様に、ダンベルを持ち上げたりバーベルを担いだりしないといけないんです。
筋肉をつけるには全力の70%以上を出さないといけない
あなたの中で筋肉をつけるというのは何を指しますか?
実は筋肉をつけるという言葉には3種類の意味があるんです。
・筋肉を太くする
・筋肉の持久力を上げる
この3つです。
多くの方は2つ目の筋肉を太くするというのが「筋肉がつく」イメージに一番近いのではないかと思います。
なので今回は筋肉を太くするという意味での解説をしていきます。
まずはこちらの図をご覧ください。
どのくらいの重さと回数で運動をすれば筋肉がつくのかという話になります。
実は負荷によって筋肉に与える影響が変わってきます。
筋肉を太くするという観点から見れば、全力の70%以上の力で6〜12回できる運動がベストということになります。
どうですか?
ゴルフクラブを頑張っても12回しか振れない!という方はいないですよね?笑
アイアン1本でだいたい400gくらいです。
もしこれが全力の70%の重さだったら、100%でも約570gの物しか持てない計算になります。
それでは箸より重い物を持ったことがないお嬢様と同じになってしまいます。笑
つまり、ゴルフクラブを振るという運動は筋肉をつけるには負荷が弱すぎるのです。
先ほどの図でいうと打ちっぱなしでは筋肉の持久力がつくということになりますね!
ゴルフにおけるメリットとしては、スイングを疲れずに何回も振れるようになるということです。
効率の良い筋肉の使い方は練習により上達できます
しかし筋肉がつかないからと言って、打ちっぱなしが全く筋肉に効果がないわけではありません。
打ちっぱなしでは筋肉に命令を出す神経が鍛えられます。
どういうことかというと、筋肉は脳から出る神経により命令され動いています。
打ちっぱなしで何回もスイングをしていると筋肉は太くならないかもしれませんが、神経からの命令は多く出る様になります。
つまり同じ筋肉の太さでも強い力を出せるようになるんです。
ゴルフは反動をつけてスイングをするスポーツなので、その独特な筋肉の使い方が上達するので強い力も出せるようになります。
これを「伸長収縮サイクル」と呼ぶのですが、詳しくはこちらで解説しています。

つまり打ちっぱなしに通って体の使い方がうまくなることで、飛距離アップは期待できるということです。
打ちっぱなしで痩せない理由は時間が短いから
もう一つの疑問、痩せるかどうかですが。
こちらも効果はほとんどないと思います。
楽して痩せるというのは体の仕組み的にも難しい話なのです。
ただ、こちらも まったく痩せるのに効果がないということではないのでご安心を!
さっそく解説していきます。
痩せるには脂肪燃焼が必要だが、20分以上の運動が必要
20分以上も運動しないといけないの?
と普段からゴルフ以外に運動をしない方はハードルが高いと思いますが、それには人が動く仕組みに関係があります。
人が体を動かすためにはエネルギーが必要です。
車で言うとガソリンですが、人でいうと食べ物の栄養素になります。
人が動くために必要なのは主に糖分と脂肪です。
このうち痩せるために使いたいエネルギーは、もちろん脂肪ですよね!
しかし体を動かすためにエネルギーには使われる順番があるのです。
このグラフをみると脂肪は運動を始めて10分くらいから使われ、20分を超えると多く使われるようになるのがわかります。
つまり、短い時間の運動では糖分を消費しているだけで脂肪は使われないんですね。
ゴルフに置き換えて考えてみましょう。
20分間息が上がるまでずっとクラブを振り続けることができますか?
もしできるなら打ちっぱなしでのダイエットも可能かもしれません。笑
しかし現実的ではありませんよね。
つまり打ちっぱなしの最中は脂肪よりも糖分がエネルギーとして使われることが多いのです。
ゴルフではダメなのかと諦めているそこのあなた。
筋肉をつけるのと同じく、痩せるのも全く効果がないと言うことはありません。
ウエストを引き締めたいならドローインを意識してくびれを作ろう
脂肪を燃焼して痩せるのは無理でも、ゴルフ中にお腹の筋肉を意識することでくびれを作ることはできます。
ここで重要なのはドローインという動きなのですが、シンプルにいうと「お腹を引っ込める」動きです。
ドローインの詳しい練習方法は以前に紹介していますので、そちらを参照してください。

そしてこのドローインができると、お腹周りの筋肉が使われ「くびれ」ができやすくなるだけでなく、体幹が安定しスイングの安定やパワーアップにも繋がるのです。
お腹周りを引き締めたい方は、ぜひ打ちっぱなしの最中にお腹を引っ込めるドローインを意識してスイングしてみましょう。
ラウンドではどうなのか?
では打ちっぱなしでは筋肉に関しても痩せるに関しても効果がなさそうでしたが、実際のラウンドではどうでしょうか?
カートを使用している場合は当然あまり歩かないので、打ちっぱなしとさほど変わらないと思います。
もちろんカート道から離れたところにボールがある場合は歩く距離は増えますけどね。
歩きでのラウンドの場合はどうでしょうか?
例えば身長170cmの人を例に計算してみます。
ゴルフコース18ホールの合計距離の平均は6700ヤードくらい。
つまり約7.4kmです。
これを普通の速度(時速4km)で歩いたとすると・・・
386.91kcal(キロカロリー)になります。
ご飯でいうと、丼によそったご飯一杯(240g)や板チョコ一枚くらいと同じカロリーです。
意外と消費できてませんね。笑
ラウンド中の軽食で軽く超えちゃいそうです。
でもラウンド中はボールのところに早く行くために少し早歩きで移動することが多いですよね。
さらに傾斜が多いコースでは負荷が増えると思うので、もう少し消費カロリーは多いと思います.
しかし消費するカロリーは基本は大きく変わりません。
つまり1ラウンドして疲れたなーと帰ってきてもさほどカロリーは消費していないのが現状なのです。
まとめ
今回は視点を変えて筋肉をつけることや痩せるという観点でゴルフをみてみました。
意外と強い力を使わないし、カロリーも多くは消費しないのでなかなか体を引き締めたり痩せたりするのは難しそうですね。
でも、普段から運動不足の方は打ちっぱなしで体を動かすことや、ラウンドで歩くことで健康的になる効果は十分にあります。
ゴルフは体を健康に保つためにも効果的だという論文も多く報告されているので、ぜひ長くゴルフを続けることが大事ですね。
何かわからないことがあれば気軽にメッセージ待ってます!
ここまでご覧になっていただき、ありがとうございました!