こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
ゴルフフィジオトレーナーのケイです。
「地面反力(床反力)」
ってみなさん聞いたことありますか?
最近のレッスン書では「地面反力を使ってボールを飛ばそう!!」特集みたいなのが多いですよね。
2019年のレッスンオブザイヤーにも選ばれいていたので、耳にしたことがある方も多いと思います。
要するにインパクトの時にジャンプ動作をする事で、その勢いをボールに伝えて飛距離を出そうというものなのです。
ただ、どの解説をみていても地面反力自体の説明が曖昧です。
どういうメカニズムで起きているのかも書かれていないので、私の個人的な見解を書いていこうと思います。
学生の頃から物理学が苦手だった(嫌いだった)という方も大丈夫!
イラスト付きで簡単に説明していきますので、ぜひ読んでみて明日からのゴルフに活かしてください。
地面反力を理解するのに必要な物理学を簡単に
私は普段、整形外科にて理学療法士として勤務しています。
患者さんの動き(特に歩行や階段)などを診る時には地面反力を考慮することは非常に重要です。
最初に地面反力を理解するのに大切な用語を2つほど説明します。「ベクトル」と「モーメント」です。
ページを閉じようとしたあなた!!笑
難しいことは書いてないので読んでみてください!
地面反力の向きと強さを表すベクトル
ベクトルとは力の方向と大きさを矢印で表すものです。
まあ計算上の矢印なので、実際には見えないですけどね笑
このように矢印の方向に力が加わっていて、長さが長いほど強い力という表し方になります。
ジャンプを例にみてみましょう。
ジャンプの場合、実は真上に飛ぶことは難しくてやや前上方に力(白い矢印)が加わっています。
飛ぶときは最後につま先で地面を蹴っているため、つま先からベクトルが発生しています。
より高く飛ぼうと思うと、ベクトルは大きくなるので矢印の表記はもっと長くなります。
なんとなくご理解いただけたでしょうか?
次にモーメントの話に入ります。
モーメントとはてこの原理のこと
モーメントとは、運動の中心からの距離とベクトルを掛け合わせたものです。
何を言っているかわからないと思うの、身近なもので説明します。
それは子供の頃みんな一度は遊んだことのある「シーソー」です!
シーソーって端っこに乗れば乗るほど、体重が重くなくても下に降りていきますよね?
反対に中心に近い所に乗れば、なかなか降りていきません。
これがモーメントなのです!
同じ力(重さ)であれば中心から遠いほど強く(重く)なるので、シーソーにおいてこのような現象が起きるのです。
この原理を用いて生活を便利にしているのが、てこの原理です!
中心からの距離が遠いほど同じ力でも大きなモーメントを発揮できるので、少ない力で物を動かしたり強い力を発揮できるのです。
100kgの物を動かしたい時に、2倍の距離があれば半分の力(50kg)で動かすことができるのです。
省エネですね!笑
ここまでを頑張って読んでいただいたあなた!
この「てこ」ってゴルフにも通じると思いませんか??
ボールを打つのはクラブヘッドですが、力を伝えるのはグリップの部分ですよね?
さらに言えば体の中心からクラブヘッドまでの距離がモーメントになるのです。
これを上手く使うことで少ない力で、強い力をボールに伝えることができるのです!
地面反力を理解しよう。作用と反作用とは??
では、基本的な用語「ベクトル」と「モーメント」を理解できたところで、床反力の話に戻りましょう!
地面「反力」 というくらいなので、反発する力とうことになります。
ここで作用と反作用という用語を知っておきましょう!
作用とは自分が加える力のことです。
「物を押す」「地面を蹴る」などが当てはまりますね!
反作用とは作用に対して、同じ力で真逆の方向に押し返される力です。
キャスター付きの椅子に座ったまま机や壁を押したら、後ろに転がっていきますよね?
あれは、自分が机や壁に加えた作用に対して、反作用が真逆に働くので自分が動いてしまうのです。
普通は地面で踏ん張っているので、自分は押されずに物を押すことができます。
ジャンプを例に地面反力を考えてみる
具体的に作用と反作用の関係をジャンプを例に見てみましょう!
先ほどもジャンプにおける床反力のベクトルを紹介しましたが、実は真逆に蹴る力が働いていたから地面反力を上前方に受けて飛べていたんですね。
レッスン雑誌などでも、上方向へのベクトルの地面反力ばかりがイラストで書いて解説されていますが、下方向への蹴る力ありきの床反力ということなのです。
ゴルフにおいて地面反力をどう生かすのか?
今まではジャンプを例に地面反力を説明しましたが、ゴルフスイングにおいてはどうなのでしょう?
一番はインパクトの時に強い力を伝えるために地面反力が活躍します。
地面反力+回転が飛距離アップに重要
雑誌などのレッスン書にも地面反力を生かして強いインパクトを作ろう!と紹介されています。
ただ、床反力を使って上方向への力ばかりが強くてもボールに力は伝わりません。
ゴルフスイングはテイクバックからトップ、ダウンスイングを経てインパクトになります。
ダウンスイングからインパクトにかけては、左への体重移動と反時計回りの回転運動が生じています。
地球上のものは一度動いたら動き続けるという「慣性」が働いているので、インパクトを終えても動き続けます。
回転運動と地面反力が合成させることで、強いスイングになるんですね。
つまり地面反力は重要ですが、インパクトまでの動きがしっかり出来ていないと地面反力を強いインパクトに活かすことは出来ないのです。
最大限の地面反力を受けるためには反動が必要
以前大きな力を出すには筋力ではなく、使い方が重要だという記事を書きました。
反動をつけて筋肉を伸ばすことで最大限の縮む力が効率よく出せる「SSC」です!
まだ読んでない方はこちらも参照ください↓↓

この反動を用いたSSCをインパクトの地面反力で使うにはどうしたらいいのでしょうか?
答えは簡単!ひざを伸ばして地面反力を使いたいので、逆に沈んでひざを曲げればいいんですね!
しかし「言うは易く行うは難し」(口で言うのは簡単だけど実際に行うのは難しいという意)
切り返しで沈み込むことが重要なのですが、切り返しで逆に伸び上がってしまう方が多いのです。
そうすると早い段階で地面反力が発生してしまうため、弱いインパクトになってしまい飛距離が落ちてしまうのです。
まとめ
今回は飛距離アップのスイング理論で話題の「地面反力」について解説しました!
雑誌などでもここまで物理学的に詳細に解説しているものは私が知る限りないかと思います。
少し難しいかもしれませんが、本当の床反力の意味を知っておくことで誤解をせずに正しい理解でスイングができるようになると思います。
皆さんもぜひ正しく理解して、スイングに取り入れてみてください!