こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
ゴルフフィジオトレーナーのケイです。
今回はスイングをしていて、左ひざに痛みがある人に向けた記事です。
靭帯が切れていたり骨折していない限り、ひざの痛みの原因の多くは向きと角度が影響しています。
見るべきポイントは一つ!!
あなたのつま先とひざの向きはまっすぐになっていますか??
左ひざに痛みを抱えている人は20%もいる
海外におけるゴルフの疫学調査(健康状態の大規模な調査)によると、体に痛みを抱えるゴルファーの内、ひざに痛みがある人は全体の20%になると報告されています。
Matthew L. Baker et al. Risk Factors for Knee Injury in Golf: A Systematic Review. Sports Med. 2017.
バスケやサッカーほど多くはないですが、ゴルフも意外とひざが痛い人は多いんですね
ひざが痛い原因としては様々な理由がありますが、一番多い原因はひざの向きと角度にあるのです。
どうしてひざが痛くなるのか?
関節や筋肉、靭帯に大きな損傷がない限り、ひざが捻じれたり変な方向に曲がることが原因で痛みが出ることが多いです。
それにはひざ関節の構造が影響しているのですが、まずは関節の構造から見ていきましょう。
ひざはまっすぐにしか曲がらない「蝶番ちょうつがい」
ひざは蝶番の構造と似ており、まっすぐの曲げ伸ばししか出来ません。
横と後ろからも見てみましょう。
ひざ関節は大腿骨(上側の骨)と脛骨(下側の骨)から成り立っています。
大腿骨は大きなボールのようなものが2つあり、脛骨がお皿の形状をすることで関節を構成しています。
脛骨のお皿の上を、大腿骨のボールが転がるだけの構造のためまっすぐ曲げ伸ばしすることしか出来ません。
そのため、捻れたりすると大きなストレスがかかるのです。
インパクトからフォローにかけてひざが捻ねじれると痛みの原因に
ゴルフにおいて左ひざには体重の2.5倍の負荷がかかるとされています。
Georg Bergmann et al. Standardized Loads Acting in Knee Implants. PLoS One. 2014
その状態でスイング中にひざがいろんな方向に捻れたらどうでしょうか?
それがゴルフ中に痛みの出やすい原因となります。
ましてゴルフスイングは全身を使って回転するような動きになるので、ひざに回旋するストレスがかかりやすい動きでもあります。
左ひざが痛くなりやすい特徴的なパターンをみてみましょう。

外に曲がることをひざの内反と呼びます。
これはいわゆる中高年の方が、O脚になってきてひざが痛いと訴えるのと似たメカニズムによって生じる痛みです。
インパクト後に勢いがついているので、左足の外側に体重が乗りすぎて内側がめくれてしまいます。
そうすることでひざは内反のストレスを受けます。
先ほども書きましたが、スイング中には体重の2.5倍の重さがひざにかかると言われているため、その状態でひざが変な方向へ曲がることで関節に大きなストレスを与えることになるのです。
一回のストレスで痛みが出なくても、練習やラウンドでは数十回から数百回のスイングをしますので、積み重なって痛みになることもあるのです。
もう一つはひざが外に捻れてしまうパターンです。
ひざの捻れはつま先とひざの向き(お皿の向き)を見ることで確認できます。
このように、足は地面についているのでつま先は正面を向いたままですが、骨盤の動きにつられてひざも外に回旋してしまうことが多いです。
これがひざの捻れが生じるメカニズムなんです。
と、ここまでゴルフスイングにおいてひざに負担のかかるパターンを紹介しましたが、あなたはどちらかに当てはまりましたか?
重要なのは、ひざは他の関節に比べて靭帯で支えている部分が大きいということです。
股関節や足関節などは、全方向に筋肉がありどこからのストレスも筋肉によって支えることができます。
しかし、ひざは曲げ伸ばししかできないので横や捻れのストレスに対して筋肉で支えることができず非常に弱いのです。
では、その脆弱なひざ関節を守っていくにはどうすればいいのかを実際に見ていきましょう!
ひざに負担のかからないスイングをするには?
ここまでひざに負担がかかるのは、捻れた時と内反した時が多いということでしたね。
ひざ自体を意識しても治せないものばかりなので、隣り合っている足と股関節に注目して見る必要があるんです。
① 左足の内側に乗るスイングを練習する
一つ目はインパクト以降に、左足の内側に体重を乗せ続ける練習をする方法です。
一つ目の痛みが出るメカニズムに、左足の外側に体重がかかりすぎてひざが内反するというものがありましたよね。
これはひざが原因ではなく、足の外側に体重が乗っていることがほとんどです。
足の裏を見るとわかりますが、人には土踏まずがあります。これは体重の負担を分散させる機能があり、川にかかる橋が重さを分散して強度を保っているのと同じ仕組みなのです。
つまり土踏まずは体重を乗せるための機能構造なのです。
レッスンではいわゆる「左に壁を作る」とよく書いていますが、解剖学的な本質は内側の土踏まずに乗ることで体が左に流れないということであると思います。
つまり、フォロースルーの後に左足一本で片足立ちができるかどうかがポイントになります。
外側に乗ってひざが外側に流れている方は立てないと思いますので、ぜひチェックしてみてください。
② 左のつま先を外に開く
次の方法は、アドレスの時に左のつま先を外側に向ける方法です。
先ほどの上から見た図を思い出してください。
このように、つま先とひざの向きのズレがひざの捻じれを生み出す原因となっていましたよね。
なので、最初からアドレスの時点で左つま先を外側に向けておくことでインパクトからフォロースルーにかけてのひざの回旋ストレスを減らすことができるのです。
③ 股関節の内旋を柔らかくする
最後は股関節の動きを出してひざの回旋ストレスを減らす方法です。
股関節の内旋を柔らかくする方法はこちらを参照ください↓↓

それで股関節が柔らかくなると、どうなるのかというと。
このように骨盤が左に回っているにも関わらず、股関節が内旋することでひざが外に向きません。
それにより、ひざはつま先と方向がずれにくくなり回旋ストレスを減らすことができるのです。
まとめ
今回は左ひざの痛みに着目して書いてみました。
原因は人それぞれだと思いますが、多いパターンは大きく分けて2つ!
でしたね。
スイング中に左ひざが痛いあなたは、自分のスイングをチェックして早めの対処を!