こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
ゴルフフィジオトレーナーのケイです。
今回からゴルフに関する研究論文を少しずつですが紹介していこうと思います。
私は理学療法士としての関係上、医学論文を月に10〜20本は読んでいます。医学の情報は常に新しくなっていくので5年前の常識が古いなんてことはざらにあります。
その論文の中にはゴルフのスイングやメンタルに関する研究をして論文報告をしているものもあり、エビデンスという医学的根拠に基づいた信頼性のある情報になります。
普段医療に携わらない方にとっては無縁の情報かと思いますが、非常に有益な情報がたくさんあるので自分の勉強のためという意味も込めてシリーズ化して紹介していきたいと思います。
今回の研究論文はズバリ・・・
股関節が硬いゴルファーは腰の動きが大きくなる
という内容になっています。
どんなゴルフ論文なのか?
タイトル:Lumbopelvic Kinematic Characteristics of Golfers With Limited Hip Rotation
研究方法
・股関節の内旋が20°以下のゴルファーを制限グループ
・股関節の内旋が30°以上のゴルファーを制限なしグループ
として15名ずつグループ分けをしています。
内旋とは股関節が太ももを軸に、足が外に開く動きを指します。
内旋については別の記事で詳しく書いていますので読んでみてください。

スイングの解析方法
体にマーカーという反射板のようなセンサーを数カ所に貼り、スイングの動作を8台のカメラで撮影することにより動作分析を行いました。
クラブはドライバーを使用し、10回ボールを打ってもらい解析しています。
全員が右打ちなので、テイクバックで内旋するのが右足でフォロースルーで内旋するのが左足ということになります。
その他に、股関節周囲の筋肉の硬さと強さ、体幹の筋力の強さを計測しています。
結果はいかに・・・?
比較した表を作ってみたのでざっと見てみましょう!
スイングの様々なフェーズにおいて股関節の内旋制限があると腰の動きが大きいことがわかりますね。側屈は横へ反る動き、屈曲は猫背になる動きのことです。
筋肉の硬さの比較においては、右の太ももの裏にある筋肉、ハムストリングスが内旋制限のあるグループの方が硬いという結果もありました。
股関節と腰の動きの関係性の強さを見ると、股関節内旋が硬いほどスイング中の腰の回旋が大きくなるという強い関係性が認められています。
この結果は腰にどのような影響を及ぼすのでしょうか?著者らの考察をみていきましょう。
考察:股関節が硬いと腰に負担がかかるのか?
まず、アドレスからインパクトにかけて腰の屈曲と右側屈が大きくなるということは、腰椎の間にある椎間板のストレスを増大させます。
椎間板にストレスがかかると腰椎ヘルニアというケガに繋がり、腰痛や足の痺れ、筋力低下などが生じます。症状がひどい場合には摘出術という手術になる可能性もあるケガです。
日本の男子プロでいうと石川遼くんが発症して、しばらくツアーの欠場を止む無くされたのが有名かと思います。
考察:股関節が硬いと太ももの筋肉が硬くなる??

まとめ
今回の結果をざっとまとめるとこんな感じです。
腰の負担を減らすには股関節の柔らかさが大事!ということになりますね。股関節の内旋を広げるトレーンングはこちらで紹介しています↓↓

また、前傾に必要なハムストリングスの硬さもしっかりチェックして腰痛のないゴルフライフを目指しましょう!!
