2020年3月29日(日)
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アドレスでスタンスを調整するとスイング中のひざへの負担が変わるのか?

ケガ&痛み
この記事は約7分で読めます。

こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。

ゴルフフィジオトレーナーのケイです。

ここ何回かにわたってアドレスにおけるスタンスの重要性を書いてきました。

人が立っている時は足が一番下の土台になるため、その上にあるひざや腰にも大きな影響を与えるということでしたね。

今回はそのスタンスに関する面白い論文を見つけたので皆さんにご紹介しようと思います。

内容としてはズバリ、

膝が痛い方はスタンスを見直すことで負担を減らすことができるという論文になります。

前回のスタンスの記事と合わせて読んでみてください!

アドレスにおけるスタンス幅はどう決める?足の位置によってスイングは変わります。
アドレスにおいて足の向きはどう決める?オープンやクローズスタンスは何が良いの?

いま現在、ひざに痛みや違和感がある方はスタンスやスイングを見直すきっかけになると思いますのでぜひ参考にしてください。

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どんなゴルフ論文なのか?

タイトルModifying stance alters the peak knee adduction moment during a golf swing.

意訳:スタンスを修正すると、ゴルフスイング中のひざのストレスが変わる

という論文です。

著者Quenten L. Hooker (University of Kentucky)
雑誌The International Journal of Sports Physical Therapy

研究者はアメリカにあるケンタッキー大学で研究を行っています。

2018年に発表された論文で、比較的新しい論文です。

この論文が載っている雑誌は、理学療法士がスポーツに関する研究論文を多く投稿している雑誌です。


まず研究の背景として、ひざのケガはゴルフにおいて最も多いケガの一つであると言われています。

ゴルフは安全でケガの少ないスポーツだと思われていますが、実は体への負担が大きくゴルファーの70%以上は痛みやケガを一度でも経験したことがあると報告されています。

その中でも特にひざは痛みが多い関節なので、そのひざへの負担を減らすにはどうしたらいいかというのがが研究を始めたきっかけになっているようです。

論文の紹介をする前に今回のタイトルにもあるknee adduction momentの意味だけ簡単に紹介させてください。

日本語にすると内反モーメントという意味になるのですが、簡単に言うとひざをO脚の方向に曲げるストレスになります。

内反モーメントはO脚を進行する

ひざが正面を向いたまま外側に折れていくような動きですね。

この方向へのストレスは非常にひざへのストレスが大きく、加齢とともに増えてくる変形性ひざ関節症の原因になることが分かっています。

日常生活でも歩いたり階段の上り下りをすることでこのような負担がかかるのですが、それに比較してゴルフ中の負担の方がより大きいと言われています。

整形外科の分野でも変形性ひざ関節症の患者は特に多いため様々な研究がなされています。

歩行においては足の向き足の幅を変えることによって、ひざにかかる負担は変化することが研究によって既に報告されています。

具体的には30°つま先を外に向けて歩くことでひざへの負担が減るそうです。

ではゴルフにおいても同じことが言えるのではないかということで、今回は実験を行いました。

仮説:ゴルフアドレスでスタンスにおける足の角度や幅を増やすと膝への負担は減少する

ではこの仮説を検証するために実際にどのような研究方法を行ったのかを見ていきましょう。

研究方法

まず研究に参加したのはアメリカのハンディキャップ20以下のゴルファー20名です。

男性16名女性4名の割合になっています。

参加者にはキャロウェイのXシリーズのドライバーを用いて計測してもらうのですが、その時に

・自分の普段のスタンス
・つま先を0°にしたスタンス
・つま先を30°外に向けたスタンス
・広いスタンス
・狭いスタンス

5つのスタンスにおいてそれぞれ3回ずつ打ってもらいます。

5つのスタンス

自分のスタンスには個人差があるので、20人それぞれ角度と幅は異なります。

つま先の向きは1°から23°、スタンス幅は36cmから64cmの個人差がありました。

こうしてみると人によって結構スタンスは違うんですね。

スタンス幅に関しては個人のスタンス幅から計算して、20%増やしたものを広いスタンス20%減らしたものを狭いスタンスとしています。

スタンス幅が50cmの人は、50 × 1.2 (100%+20%) = 60cm

この時に体にはマーカーと呼ばれる反射板をつけることによって、実際に関節がどのような動きをしているのかを計測しています。

数値として計測しているのは関節の動き(ストレス)ヘッドスピードです。

ではさっそく結果を見ていきましょう!!

結果はいかに・・・?

5つのスタンスで打ったドライバーショットのスイングを解析して、それぞれの関節の動きヘッドスピードを比べています。

結果から説明するとつま先を30°外に開いたスタンスと、広いスタンスにおいてひざのストレスが減少したという結果になりました。

また逆に狭いスタンスは他のスタンスよりもひざのストレスが増加しました。

しかしスイングスピードにおいてはどのスタンスにおいても変わりはありませんでした。

これらの結果を図にするとこんな感じです。

スタンスによる膝への影響

著者の仮説通り、スタンス幅を広くするとひざのストレスが軽減するという結果になりました

考察:足の向きと幅がひざの負担に与える影響

ではこの結果をふまえて著者はどのような考えを述べているのでしょうか?

まず歩行の研究と同様に、ゴルフスイングにおいても足の幅やつま先の向きを変えることでひざへのストレスが減少しました。

そのためひざが痛い方やひざの負担を減らしたい方には、スタンス調整することが非常に有効であると考えています

以前に似たような研究で5番アイアンを使った研究が行われていました。

その研究においてはスタンス幅を変えることによって、ひざのストレスが15%減少したという結果になりました

しかし今回はなんと30%もひざへのストレスが減少していました。

今回はドライバーを使用したことでよりひざへのストレスがより大きかったので、スタンスによる変化が大きかったのではないかと考察しています

つまりドライバーウッドなどのシャフトが長くてスイングの負担がかかりやすいようなクラブにおいては、よりスタンスを調節することがひざの負担を減らすのに有効であるともいえると思います。

さらに今回も一つの結果として、スタンスを変えてもスイングスピードに変化がなかったということが挙げられます。

つまりひざの負担を減らすためにスタンスを変えてもスイングスピードが落ちない、言い換えればパフォーマンスを下げずに体への負担を減らすことができるということになります。

実はゴルフスイングを変える時に体への負担を減らそうとすると、どうしても飛距離が落ちることが多いです。

しかしゴルファーたるもの、なるべく飛距離を伸ばしたいというのが心のどこかにあると思います。

そのため今回のようなスタンスを変えることによる体への負担を減らす戦略は、多くのゴルファーにも納得してもらえそうな方法だと思います。

変形性ひざ関節症の人でもゴルフを

論文の紹介はここまでです。

今回はゴルフを健康的に長く続けていくのに非常に参考になる研究だったと思います。

加齢とともにひざの軟骨がすり減ってくるのが変形性ひざ関節症です。

もちろん普段の生活においてもストレスがかかるためだんだんひざの軟骨は減少してきますが、ゴルフではさらにそれを加速させる危険があります。

そのため少しでもひざにストレスのかからないスイングをすることで、より長くゴルフを続けていくことが出来ると思います。

今現在ひざが痛くない方も今後ゴルフを続けていくためには、ひざへのストレスはなるべく減らしていくことが大事になります。

今回の研究は変形性ひざ関節症などのひざに痛みを抱えるゴルファーはもちろん、 多くのゴルファーにとって今後ケガや痛みを予防するために大きな参考になる結果だったのではないかと思います。

ぜひ今回の結果を踏まえてご自身のスタンスも見直してみてはいかがでしょうか??

何かわからないことがあれば気軽にメッセージ待ってます!

ここまでご覧になっていただき、ありがとうございました!

ケガ&痛み 研究論文
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ケイ

<資格>
理学療法士(整形外科勤務)
EAGPT Golf Physio Trainer

<活動内容>
北海道のゴルファーの競技寿命を伸ばすために、メディカルチェックなどの活動をしています。

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