アドレスの時の足の幅をどれくらいにすればいいのかわからない
そんな悩みをあなたは抱えているのではないでしょうか。
今回はアドレスの足の位置によってスイングにどのような変化が起きるのかを運動学的に解説していきます。
こんにちは!
いつもご覧いただきありがとうございます。
ゴルフフィジオトレーナーのケイです。
まず一般的にはどのくらいのスタンス幅が推奨されているのかを見ていきましょう!
ジャンプして着地した時の幅が基準
基本的にアドレス時にはジャンプして着地した時の足の幅が基準になるとされています。
もちろんドライバーを使うのかウェッジを使うのかによって 幅は変化しますが基本はこの幅です。
理由としては自分が一番安定する足の幅であるからです。
スイングをした時にバランスが取れなければうまくボールを打つことができません。
そこからその人のスイングに合わせて、スタンス広くしたり狭くしたりしていくのが一般的かと思います。
ではその基準の幅から広くしたり狭くしたりすることによって、スイングにどのような変化が起きるのかを見ていきましょう!
足幅が広いスタンスのメリットとデメリット
まずはより足幅を広くした場合のメリットとデメリットです 。
メリットとしては、
・飛距離が向上しやすい
またデメリットとしては、
・インパクトが安定しにくい
といった点が挙げられます
まずはメリットから見ていきましょう!
左右のバランスが取りやすく、スウェーしにくくなる
一つ目のメリットとしては左右のバランスが取りやすくなることです。
人間がバランスよく立つためには体重が常に支持基底面という範囲の中にある必要があります。
これは左右の足よりも内側の範囲であり、これよりも外に重心が移動するとバランスを崩してしまいます。
特にゴルフスイングでは右から左へ体重移動をするのでこの支持基底面が広い方がバランスがとりやすくなります。
またスイング中に体重が左右に移動したときにも足の内側でしっかり体重を支えられるので、体がスウェーしづらくなります。
体がスウェーする方のほとんどは足の裏の外側に体重がかかっています。
そのため足の幅が広くなればなるほど、足の外側には体重がかかりづらくなりスウェーすることも防げます。
体重移動が大きくなりパワーが伝わる、けど・・・
次に体重移動が大きくなり飛距離が出やすいというメリットが挙げられます。
先ほど説明したように人間は支持基底面という範囲の中に重心がある必要があります。
足幅が広くなることにより左右に支持基底面が広がるためより大きく体重移動をすることができるようになります。
ゴルフスイングにおいて、テイクバックでは重心が右へ移動しインパクトにかけて重心は左に移動していきます。
その時スタンス幅が広いと、右から左への体重移動のエネルギーを大きく伝えることができます。
これにより飛距離を出すことができるのです。
ドライバーではスタンスを広くしているゴルファーが多いのはこれが一番の理由だと思います。
しかし同時にこれはデメリットでもあります。
左右への体重移動が大きくなるということは毎回スイングにおけるインパクトが安定しません。
何回も同じようなスイングが出来るかどうかを、再現性といいます。
プロのように多くの練習をしている人であれば再現性は高くなるかもしれませんが、普段あまり練習量の少ないアマチュアにとっては再現性が低くなってしまいます。
プロでもアプローチの時などは足をくっつけたり足幅を狭くしたりなどして、なるべく再現性の高いスイングができるようにしていますね。
体は回りにくくなる
もう一つのデメリットとしては、体が回りにくくなるということです。
スイングは回旋運動ですがその回旋の多くが股関節によって生じています。
しかし股関節は足を開けば開くほど回りにくくなってしまいます。
両足をくっつけた状態と思いっきり開いた状態で体を左右に回してみてください。
どちらが大きく回旋できるかといえば、足を閉じた方が大きく回れますよね。
そのため普段から体が硬くてトップの時に体が回りづらい方は、あまり脚幅を広くしすぎると体がより回りづらくなってしまいます。
そこから無理に体を回すほどすることで腰に大きな負担がかかってしまい、腰痛や怪我の原因になることもあり得るので注意が必要です。
足幅が狭いスタンスのメリットとデメリット
次に脚幅が狭いスタンスについてです。
メリットとしては、
・再現性の高いスイングができる
デメリットとしては、
・強いスイングはしづらくなる
といった点が挙げられます。
ここでお気づきの方もいるかと思いますが、脚幅が広いスタンスの場合とほとんど反対のことがメリットとデメリットになっていますね。
つまりスタンス幅を変えると、良くなる点もあるし悪くなる点もあるということです。
股関節が回りやすくなる
先ほども説明したように足幅が狭いことによって股関節が回りやすくなります。
股関節が回りやすくなることによって、上下に隣接しているひざと腰の関節の負担を減らすことができます。
そのため以前に膝や腰を痛めたり怪我をした事がある方は、スタンスを少し狭くする方が負担をかけないスイングが出来ると思います
軸が動き過ぎない
次に軸が動きすぎないというメリットがあります。
トップからインパクトの動きにおいて頭や体の移動する量が少なくなるので、再現性の高いスイングになりやすいです。
毎回スイングごとにトップしたりダフったりとインパクトが安定しない方は、脚幅が少し狭い方が安定しやすいと思います。
また再現性が高くなるので幅の狭いコースや、飛距離よりもコントロールが必要なアイアンにおいても足幅が狭い方がメリットは大きいと言えます。
スウェーしやすくなり、バランスが取りにくくなる
反対にデメリットとしては、支持基底面が狭くなるためスイング中のバランスがとりにくくなることが挙げられます。
左足下がりやつま先上がりなどコース上では様々なライが存在します。
練習場などでの平らなとこではバランスは崩れないかもしれませんが、傾斜のある地面でスイングをするとなると足幅が狭過ぎるとバランスは取りづらくなります。
またスイング中の左右の体重移動により、足の外側に体重がかかりやすくなるためスウェーしやすくなります。
普段からスウェーしやすい方は少し足幅を広くした方が、足の内側でしっかり踏ん張れるので改善しやすいと思います。
結局どうやってスタンスを決めたら良いのか
スタンス幅を広くしても狭くしてもメリットやデメリットがあります。
結局どのようにスタンス幅を決めていけば良いのでしょうか?
一番基準となるのは自分がスイングをしてバランスの取りやすいスタンス幅です。
スタンス幅は広くすればするほどバランスが取れますが股関節は回旋しにくくなります。
反対に狭くすればするほど回旋はしやすくなりますがバランスが取りにくくなります。
つまりスタンス幅の広さの上限としては、
またスタンス幅の狭さの上限としては、
の間でスタンスを調整する必要があります。
そこから自分のスイングに必要な動きを取り入れるためにはスタンス幅をどちらかに調節していくのが良いと思います。
具体例としては、
・膝が捻れて痛くなる方
は股関節の動きが制限されていることが多いので、スタンス幅は少し狭くすることをお勧めします。
・スウェーして膝に痛みがある方
は左右へのバランスが不安定なので、スタンス幅を少し広くする方が良いと思います
まとめ
今回は多くのゴルファーが悩んでいるスタンス幅について解説しました。
このぐらいの幅が正しいという正解がないのが難しいところかと思います。
しかし自分の身長や筋力体格などに合わせて体に負担のかからない幅を探すことが非常に大事です。
狭めたり広くしたりすることによって体の動きが変わってくるため、自分のスイングや体の症状に合わせてスタンス幅を調整することが必要になります。
アドレスはスイングの一番最初になります。
その時のスタンス幅を自分に合った幅にすることによってスコアアップとともに怪我の予防にもつながりますので、ぜひ一度自分のスタンスを確認してみてください。
何かわからないことがあれば気軽にメッセージ待ってます!
ここまでご覧になっていただき、ありがとうございました!